【映画批評 過去記事から】
14歳のハラワタ■2009年/ヴィスタサイズ/ビデオ/60分
■制作:専門学校東京ビジュアルアーツ映画学科
監督・脚本:佐山もえみ
撮影:西岡ほさな
照明:三多祐也
美術:大橋麻実
録音:堀谷みなみ
編集:山本達也
音楽:関島岳郎
出演:長野レイナ、水嶋瑞希、五十嵐令子
   武田勝斗、池上幸平、橘ゆかり
   大家由祐子、松田洋治 他

【映画公式ブログ→】


 中学2年生の原田ワタル。誰も呼んではくれないけど、通
称・ハラワタ。髪にも服にも無頓着、のんびりマイペースに
毎日を生きている。彼女の周りにはいろいろな人たちがいて
いろいろな思いがある。そんな彼女が見つめる様々な日々の
出来事。

d(>_<  )Good!!(2010/7/28)


 私たちの日常は平穏で平凡、そしてちょっと退屈。たまに
ハッとする出来事もあるけれど、日々はただ穏やかに過ぎて
いく。この映画は、主人公・原田ワタルが毎日の中で見聞き
する出来事をそっくりそのまま描きだす。彼女が能動的にそ
こに関わるわけでもなく、状況が劇的に変化するわけでもな
いが、いろんな問題を抱えた人たちの世界は、自然治癒する
がごとく、自然に形を変えていく。
14歳のハラワタ画像
 短編60分の中にギュッと詰まったほのぼの感。シーンを
ひとつひとつ積み重ねることで結果的に浮き上がってくるド
ラマ。作為的な仕掛けは冒頭の「人体模型」のシーンに集中
してしまい、そこを「つかみ」にあとは画もドラマも淡々と
見せて行くところは、それが意匠的な作劇によるものか、結
果として偶発的に生まれ出たものなのかはさておき、こんな
に日常的なリアリティをもって「普通」の世界を描いた作品
もそうないのではないかと思える。
 シーンの変わり目(時間経過)における編集の飛び方が若
干気にはなるものの、個々の画面の構成自体は隙がなく、多
少の懸念は前後のつながりの中で相殺され、映画全体のバラ
ンスがうまくとれている。

 自分の周りの人々をじっと見つめ、あれこれ思い、でもど
こかほんわりと生きているハラワタ。とりわけ何か大きな事
件が起こるわけでもないのに、ハラワタがそこにいるだけで
何でもないことが映画的にキラキラして見えるその素晴らし
さ。この不思議な感じは何だろう?これはちょっとした映画
の奇跡かもしれないと思う。
 ハラワタ・スマイルにホッと癒される必見の好編である。
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佐山もえみ   2010鑑賞  
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