【映画批評 過去記事から】
 いろいろと観た映画を記載する備忘録、2010年5月
末~6月初頭分です。
 観て気に入った作品全てに言及することは、ある意味難
しいので、「エントリからこぼれた作品をフォローしよう」
というのが主旨ですが、本稿が書き終わるまで、ひとまず
所感を書き留めておいたもの(最近はまずツイッターにコ
メントするのが習慣なので、その文章を加筆修正)も含め
てまとめました。


■6/2
座頭市THELAST『座頭市 THE LAST』(10 阪本順治)
 凄くよかった。予想外の方向から不意打ち
を食らった面白さ。香取くんはじめ、キャス
トがみんな良い演技で素晴らしい。シネスコ
のフレームを縦横に活かした映像もイイ。
 予定調和を排して果敢に物語に挑む阪本監
督の折れない映画魂に惚れ直した2時間。
■6/1
2001年宇宙の旅月に囚われた男『2001年宇宙の旅』
 (68 スタンリー・キューブリック) 
『月に囚われた男』(09 ダンカン・ジョーンズ)
 映画の日、コンピュータが重要な位置を占
める新旧SF、我ながら絶妙な2本をチョイ
ス。全く好対照なSF映画でそれぞれに堪能
しました。『月に囚われた男』はガーティが
すごくイイ。昔懐かしい感じのSF映画。
 『2001年~』はニュープリント、大ス
クリーン、大音響で観る迫力は、やっぱり凄
い。難解だと言われがちな作品ですが、映像
と音に没入して体感すれば、案外シンプルな
映画だと思います。古びることのない未来世
界のイメージ、意識の進化をめぐって繰広げ
られる秀逸なサスペンス。
 後日譚である『2010年』も合わせて観
ると、さらに面白いと思います。



■6/1
サイタマノラッパー『SR サイタマノラッパー』(09 入江悠)
 登場人物に「感情移入」する、ということ
を、かつてこれほどハッキリと自覚しながら
映画を観たことはなかったんじゃないかと思
う。予定調和に易々と好転しない辛口のドラ
マ、「現実」に対して全力の反抗を試みる不
屈のライム、ラストで一気に噴き出す感情の
ぶつかり合いが、観ているこちらにも飛び火
するようなラストには思わず泣きそうになり
ました。



■5/31
ゼブラーマン2『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(10 三池崇史)
 前作より近未来SF的テイストで、意外に
ハードタッチかとみせかけて、やっぱりエロ
あり、おふざけあり、でいつもどおりの三池
節。良い意味で観客置いてけぼりのクライマ
ックスがバカバカしくてめっちゃ楽しい。
 仲里依紗さん大熱演のゼブラクイーンも破
壊力満点で文句なしに魅力的。これを楽しめ
なかったという方には、残念でした…という
ほかありません。



■5/29
下妻物語『下妻物語』(04 中島哲也)
 性格もライフスタイルも正反対の二人が、
実は意外と気が合って…という極めてストレ
ートな友情物語を、トリッキーな映像による
画面のにぎにぎしさで描きだす、楽しく痛快
な一編。世界の片隅の小さな出来事を思いっ
きり拡大して、どこまでも掘り下げてみせる
爽快なクドさが心地よい。摩訶不思議な楽し
さ満載のガールズ・バディムービー。



■5/28(札幌 蠍座)
しとやかな獣 若尾文子『しとやかな獣』(62)
『女は二度生まれる』(61)
 川島雄三監督×若尾文子の二本。『しとや
かな獣』はタランティーノにも負けない会話
活劇がとにかく面白いです。ここ一番をバシ
ッとキメるクローズアップ、凝りに凝ったカ
メラワークなど飽きるところなしの傑作。
 『女は~』は若尾文子さんがとにかく可愛
い。惚れて惚れられ流れ流れて、女はどこへ
行き着くのか。不思議なニュアンスに満ちた不意打ちのラスト・シ
ーンが印象的。



■5/28リアル鬼ごっこ『リアル鬼ごっこ』(08 柴田一成)
 増えすぎた「佐藤さん」の数を減らすため
に行われる、命懸けの鬼ごっこに巻き込まれ
た少年たちの死闘を描く奇想天外なストーリ
ー。意外とまじめなSF的な趣向も加わって、
如何に逃走から反撃に転じるかのドラマ展開
が、予想を上回る面白さ。NHKのSFジュブ
ナイルみたいなテイストもいい。さりげなく
も効果的に映えるシャープなアクションは、
アクション監督・谷垣健治ならでは。



■5/27
クロージングタイム『CLOSING TIME』(96 小林政広)
 正直、演劇的、観念的なニュアンスが過剰
に注ぎ込まれたシーンの数々には、馴染めな
い部分も多いけれど、深水三章さんが演じる
と人物に血が通って見えるし、途中でこれは
「映像で描く散文詩」なんだな、と悟ったら
わりとスッと飲み込めた。街を彷徨い夜に吠
える迷い犬の詩。とりあえず、なんだか美味
い酒が飲みたくなりました。



■5/27
PARTY7『PARTY7』(00 石井克人)
 『鮫肌男~』をもっとナンセンスでシュー
ルなコメディにした感じで、くだらない無駄
話をマジメに撮ってみせたところがめっちゃ
面白い。個人的にはDVD特典の「もうひとつ
のラスト」の方が良かったけど、でもこうい
う映画は基本的には好き。面白がったもの勝
ちの映画です。




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 邦画が中心の映画批評人。
物語そのものより、映画にお
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