【映画批評 過去記事から】
世界はときどき美しい■2006年/スタンダードサイズ/カラー&モノクロ/70分
■製作プロダクション:オフィス作
監督・脚本:御法川修
撮影:芦澤明子
照明:木村公義 美術:露木恵美子
編集:時森茂和
音楽:大木雄高 主題歌:鈴木慶江


「天にまします我らの父よ
 天にとどまりたまえ
 我らは地上に残ります
 この世はときどき美しい」

  ジャック・プレヴェール「我らの父よ」冒頭の一節より
 
 全5編のショートフィルムが紡ぎ出す、今ここに生きてい
る実感と、明日また生きていく希望。言語的・哲学的な世界
を豊かな映像の力で描き出し、観る側の内的世界を共振させ
る映画である。


『世界はときどき美しい』

 …松田美由紀さんの美しさに息を飲むこと間違いなし。

『バーフライ』
 出演:柄本明、遠山景織子、尾美としのり
 …モノクロの世界を愛すべき酔っぱらいが彷徨う様子が、
なんとも羨ましい。圧倒的なラストシーンも素晴らしい。

『彼女の好きな孤独』
 出演:片山瞳/瀬川亮
 …日常の中に無数に溢れている、もやもやとした想い。片
 山瞳さんの存在感に瞠目。

『スナフキン リバティ』
 出演:松田龍平、浅見れいな、あがた森魚
 …気がつけば答えは、いつも「そこ」にある。短いながら
も究極の恋愛映画。

『生きるためのいくつかの理由』
 出演:市川実日子/木野花/草野康太
 …市川実日子さんの表情の素晴らしさ。木野花さんのワン
ショットの表現力は必見。豊かに生きるためのヒントが沢山
ある。


 全編8ミリフィルムで撮影されたという画面の質感が、登
場人物たちの表情や佇まい、一個の肉体としての存在感の生
々しさ、街の風景や自然の点描の鮮やかさなどを、濃厚なま
でに捉えていて素晴らしい。
 5人の人物の主観的モノローグに端的に表れているように
彼らは誰もが1対1の距離感で、何か(誰か)と向き合う形
をとっている。それは肯定だったり、理解だったり、発見だ
ったりするが、平凡な日常の中に隠れていた「何か」と改め
て対峙することで世界がいつもと違って見えてくる。あるい
は違って見えることを理解する、そんな「心の角度」の有り
様が、ほんのささやかな、それでいて何物にも代え難い感銘
をもたらすのである。
関連記事
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加 はてなブックマークに追加
NEXT Entry
映画批評『築地魚河岸三代目』 伝統と人情の魚河岸物語
Entry TAG
御法川修   2009鑑賞   松田龍平   市川実日子  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
Maps
PROFILE

gadget9007

Name:竹澤収穫



 邦画が中心の映画批評人。
物語そのものより、映画にお
ける「映像表現」の面白さを
重視しています。映画の採点
評価はしません。
 コメント、トラックバック
もお待ちしております。
●連絡先 →

COCO

ACCESS
最新記事一覧
『ユリゴコロ』 Oct 12, 2017
『スクランブル』Overdrive Oct 12, 2017
『散歩する侵略者』 Oct 12, 2017
『きみの声をとどけたい』 Sep 04, 2017
『世界は今日から君のもの』 Aug 31, 2017
『ベイビー・ドライバー』 Aug 30, 2017
『海辺の生と死』 Aug 30, 2017
『獣道』 Aug 24, 2017
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』 Aug 18, 2017
『ジンクス!!!』 Aug 14, 2017
全記事表示リンク
検索フォーム
ブログ内ランキング
ブログパーツ

Page Top