【映画批評 過去記事から】
RONIN■原題:Ronin/1998年/アメリカ/シネマスコープ/122分
監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:J・D・ザイク、リチャード・ウェイズ
撮影:ロバート・フラッセ
編集:アントニー・ギブス
音楽:エリア・クミアル
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノ
   ナターシャ・マケルホーン
ステラン・スカルスガルド
   ショーン・ビーン、スキップ・サダス
   ジョナサン・プライス


 互いに素性も目的も知らずに集められた4人のエキスパー
トたち。彼らに与えられたミッションは、厳重に装備された、
あるスーツケースを無傷で盗み出すこと。チームは命懸けの
危険な任務をクリアするも、苦労の末、入手したケースは裏
切り者と共に消えてしまう。残りのメンバーは再度ケース奪
還を企てるのだが…。

 「アウトロー」を「ローニン」と言い換えてしまう、クー
ル・ジャパンを地で行く脚本も嬉しいですが、骨太かつシン
プルなストーリー構成、味のある個々のキャラクター描写、
疑心暗鬼と信頼の間で揺れる人間関係を丹念に描き込むコク
のある演出が実に渋い一作。

 二転三転するストーリーの中で、1人また1人と舞台から
「退場」していく構成の面白さ、物語の核心である「アイテ
ム」の実体を最後まで明かさない大胆不敵な状況設定。デ・
ニーロとジャン・レノの限りなく友情に近い信頼関係の男っ
ぽさ…等、盛り沢山の要素を抜群のバランスでまとめ、さら
にパリ市外を激走するカーチェイス、リアリティにこだわっ
た迫力のガンファイトシーンなど、流石はベテラン監督のフ
ランケンハイマー。若手監督にはちょっと真似出来そうにな
い重厚さで、まさに貫禄の演出。
 余韻たっぷりの「哀愁」のラストシーンに男泣き必至の秀
作です。

…ちなみに、DVD特典の「もう一つのエンディング」はか
なり蛇足感がある(というか切なすぎる)ので、本編観賞後
時間を置いてから観ることをお薦めします。


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