【映画批評 過去記事から】
K-20 怪人二十面相・伝2008年/シネスコサイズ/2時間17分
■企画・制作プロダクション:ROBOT
監督・脚本:佐藤嗣麻子 原作:北村想
撮影:柴崎幸三
照明:水野研一
美術:上條安里
VFXディレクター:渋谷紀世子
編集:宮島竜治
音楽:佐藤直紀
脚本協力・VFX協力:山崎貴
VFXプロダクション:白組
出演:金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼
   高島礼子、本郷奏多、今井悠貴、益岡徹
   鹿賀丈史


 サーカスの曲芸師・遠藤平吉は、ある日サーカスを見に来
ていた紳士から、羽柴財閥の令嬢・羽柴葉子と名探偵・明智
小五郎との結納の儀に潜入し、写真を撮ってきてほしいとい
う依頼を受ける。報酬につられ引き受けた平吉だが、それは
帝都を賑わせている怪盗「怪人二十面相」の罠だった…

d(>_<  )Good!!(2009/06/27)


 日本純正・冒険活劇エンターテイメント。「怪人二十面相」
というキャラクターの再発見も賞賛に値するところだが、こ
れを古くもあり新しくもあるパラレルワールドの日本を舞台
に展開する、という斬新な発想が面白いと思う。
 和製『バットマン』というようなイメージを、劇中アクシ
ョンのように「軽々と越えて」観る側を魅了する、全編「ワ
クワク、ドキドキ」という形容詞がそのまま当てはまるよう
な快作になっている。

 画面に映るだけでスタイリッシュな金城武が、今作では硬
軟合わせもつ、いつも以上に人間味溢れる愛すべき人物像を
好演。相棒兼指南役の國村隼の渋い存在感や益岡徹の絶妙な
名警部ぶり、颯爽と画面を引き締める仲村トオルの「映画俳
優」としての面目躍如の貫禄等、共演陣もガッチリ脇を固め
ているが、わけてもヒロインの令嬢を演じる松たか子のキュ
ートな演技はとにかく楽しく、事件に巻き込まれる中でどん
どん自我に目覚めていく様も魅力的。ラスト、『カリオスト
ロの城』を彷彿とさせるシーンで見せる、一瞬の切なさも必
見。

 世界観を決定する背景などのビジュアル効果は「ALWA
YS 三丁目の夕日」の白組が担当しているだけあって寸分
の隙のない圧倒的なビジュアルで、幻想の帝都を映像化。加
えて上海撮影を含むロケセットや美術セットの見事さが世界
観をさらに強固にしていて説得力も充分。
 身体アクション「パルクール」も要所要所で効果的で、空
手やカンフー系とはひと味違う面白さで、横山誠監督の立体
的なアクションとの親和性も高かったと思う。

 敵味方を二転三転させつつ、笑いやユーモアを組み込んだ
脚本も面白かったが、その一方で官憲・権力の冷徹な様を描
くシーンが全体から見るとちょっと乖離していたような気が
するし、ちょっと勿体ないなと思う設定もあり、やや複雑な
印象は受けたものの、あくまで本作は『K-20』という、『怪
人二十面相』ものを換骨奪胎した「ヒーロー物語」の構築が
主旨なわけで、その意味では未来が広がるエンディングには
なっていたと思う。
 洋画の活劇の醍醐味を柔軟かつ効果的に取り入れ、日本映
画でのエンターテイメント作品の可能性をさらに広げてみせ
た本作、とにかく楽しめる必見の娯楽映画であることは間違
いない。


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Name:竹澤収穫



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