【映画批評 過去記事から】
資金源強奪■1975/シネスコサイズ/90分 
■製作・配給:東映
監督:ふかさくきんじ(深作欣二)
脚本:高田宏治
撮影:赤塚滋
照明:中山治雄
編集:市田勇
音楽:津島利章
出演:北大路欣也 川谷拓三、室田日出男
   太地喜和子、安部徹、今井健二
   北村英三、天津敏、名和宏、梅宮辰夫


 鉄砲玉として刑務所送りとなった清元武司は、8年間の獄
中生活で自分の組の賭場を襲うという大金強奪計画を練って
いた。房内で知り合った別所と小出を仲間に引き入れ、羽田
組の主催する花会を襲撃、三億五千万の大金を奪い去った。
 だが、羽田組お抱えの悪徳刑事・能代の出現により、大金
をめぐり、追いつ追われつの熾烈な追跡劇が始じまった…。

 ヤクザが組織の金を強奪するという奇想天外なストーリー
を深作監督ならではのエネルギッシュなタッチで描く痛快娯
楽活劇。最後の最後まで騙し騙されの応酬で、全く飽きさせ
ません。
 とにかく北大路さん演じる清元が仕掛ける徹底的な頭脳戦、
敵味方入り乱れて目まぐるしく展開する大金争奪戦、策略と
裏切りを次々と畳掛ける脚本の面白さが抜群です。獄中シー
ンをアバンタイトルで済ませてしまい、細かい説明を省いて
襲撃計画をどんどん描写することで、物語を先へ先へと動か
していく、無駄のないシャープ構成がうまいです。

 メインで張り合う二人、北大路さんのやんちゃな表情とク
ールな行動力、梅宮さんのちゃっかりした憎めない性格と狡
猾さは、ダンディズムとユーモアを併せ持っていて、すこぶ
る魅力的。彼らを取り巻くすべてのキャラクターも活き活き
と動いているし、悲壮感がまったくないクールな描写に徹底
していて、別れのシーンや死のシーンもすぱっと切り上げる
歯切れのいい演出(編集)が映画を快活なものにしています。

 一応やくざ映画のジャンルでありながら、その枠をはみ出
し乗り越えていく、文句なしの娯楽活劇で、コレを観ると深
作作品はやっぱりタランティーノに影響を与えていたんだな
ぁ、と実感してしまいます。特にラストの空港シーンでは、
観る者の度肝を抜く驚きの展開(斬新かつ見事な編集!)で、
もう完全に「してやられた」という感じです。

 まだまだこんな面白い映画があるんだなぁ、と感嘆せずに
はいられない傑作「資金源強奪」ですが、DVDもリリース
されているので、未見の方はぜひ一度ご覧になっていただだ
きたいです。
(天動説:映画批評)


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