【映画批評 過去記事から】
ガメラ2レギオン襲来■1996年/アメリカンビスタ/99分35秒
監督:金子修介
脚本:伊藤和典
特技監督:樋口真嗣
撮影:戸澤潤一
照明:吉角荘介
編集:荒川鎮雄
音楽:大谷幸
出演:水野美樹、永島敏行、藤谷文子
   吹越満、石橋保、辻萬長
   螢雪次朗、川津裕介



 北海道に流星群が降り注いだ夜、札幌市内の地下鉄を謎の
生物の群れが襲い、地下からビル街をつきやぶり巨大な怪植
物(草体)が出現。時同じくして、三陸沖からガメラが出現
草体をプラズマ火球で粉砕するも地中から大群の親ともいう
べき巨大怪虫が現れ、飛び去った。地球の生態系を破壊する
宇宙生物に対し、自衛隊はレギオン(群れをなす者の意)と
それを呼称し追撃作戦を展開。一方のガメラもレギオンに再
び戦いを挑むが…。

 平成ガメラシリーズの第2作。怪獣映画の王道を実現した
『ガメラ 大怪獣空中決戦』に続く本作は「怪獣」という要
素を巧みに使った、エンターテイメントとしての戦争映画で
す。
 自衛隊の対怪獣戦をポリティカル・フィクションとして描
きだす手法は、前作よりさらにパワーアップ。さらに特筆す
べきは今回の敵役・宇宙生物レギオン。独自の生態系が結果
的に地球生命にとって侵略になる、という設定は、怪獣映画
の基本線を現代的に踏襲していて、これだけでも一本のSF
映画が出来るくらい秀逸なもの(レギオンの幼体がシリコン
が好物なことから携帯電話を持つ人間を襲う、というアイデ
アには唸りました)です。昆虫をモチーフとした外骨格タイ
プの画面映えするデザインも魅力的で、84年のゴジラ復活以
降の新怪獣としても素晴らしい出来です。

 札幌、仙台、足利と、地方都市を舞台にしたことによる場
面設計の面白さ、出現場所ごとに異なるレギオンのビジュア
ルなど、レギオンの首都侵攻を阻止すべく展開する迎撃作戦
と、それに関係する人々のドラマが、すべて地理的な移動に
よる時系列的なラインに具体的に提示されることで、ストー
リー展開が実に明解でテンポも快調。
 未知の生命体に劣勢を強いられる自衛隊,同じく苦戦連敗
のガメラと、常に持続する緊迫感も面白さの要因になってい
ます。
 クライマックス、最終防衛ラインでの2大怪獣の決戦は、
ダイナミックなカメラワークとロングショットによるパノラ
マチックな画面も迫力満点。ガメラ加勢に転じた自衛隊の援
護攻撃シーンはかなり燃えます。
 地球の守護神・ガメラは、はたして人類にとって敵か味方
か?そんな謎を提示する本作、大体のシリーズ3部作の2作
目が中途半端な形になってしまいがちなところを、独立した
作品としてもかなり楽しめる作品に仕上がっています。金子
×樋口×伊藤トリオ+大谷サウンドによるこの快作、まさにか
つての特撮映画黄金期の隔世遺伝的作品と言えるでしょう。

(天動説:映画批評)


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