【映画批評 過去記事から】
GOEMON■2009/シネスコサイズ/2時間8分
■制作:KIRIYA PICTURES
監督・原案:紀里谷和明
プロデューサー:一瀬隆重、紀里谷和明
脚本:紀里谷和明、瀧田哲郎
撮影:紀里谷和明、田邊顕司
美術:林田裕至
編集:紀里谷和明、横山智佐子
音楽:松本晃彦
出演:江口洋介、大沢たかお、広末涼子、ゴリ
   要潤、中村橋之助、寺島進、平幹二朗
   伊武雅刀、奥田瑛二

 

 織田信長、明智光秀が相次いで倒れ、豊臣秀吉が政権を握
った1582年。金持ちから盗んだ物を庶民に分け与える義賊
・石川五右衛門は、ある重大な秘密が隠された箱を盗んでし
まい、その秘密を追う石田三成や徳川家康らとの戦いに巻き
込まれていく。

 とにかく豪華でエネルギッシュな画の迫力とスピーディな
アクション、それに負けないガッチリしたドラマ展開で、と
にかく面白くて楽しめる作品です。史実を巧く取り込んだ独
自の世界観も魅力的だし、監督の一貫したテーマである「反
戦」のメッセージがシンプルかつストレートにドラマに活か
されていて、しかもそれが冒険活劇の基本的スタイルにうま
くはめ込まれていて、一体感があり、そのバランスがとても
よかったです。
 殺陣のアクションもディフォルメが程よく効いた、躍動感
あふれるもので、特に五右衛門と才蔵のバトルは大迫力でし
た。
 キャスト陣も皆さん素晴らしく、登場するキャラクターが
どれも実に魅力的で、とりわけ江口さん・大沢さん・ゴリさ
ん・要さんの熱演が印象的でした。あと、幼少時代の五右衛
門&茶々を演じた二人(田辺季正くん、福田麻由子さん)が
ものすごくイメージをうまく掴まえていて、違和感がないの
で感心しました。この二人の回想シーンには要注目です。

 前作『CASSHERN』での紀里谷監督は、とにかくありった
けの力で「思いっきり投げる」という直球勝負でしたが、今
回は格段に「映画の練度」が上がっていて、キャラクター描
写や、それを的確に捉えるカメラワーク、編集のリズムが心
地よいものになっているし、画の深さもぐっと増して奥行き
が感じられ、より立体的な印象が強いです。ドラマ構成での
カットの切れ味もシャープで明解。画面の構図と動きのバラ
ンス、渋めのカラー調整が相まって各ショットも実にキレイ
です。
 VFXは今更言うまでもないですが、イメージを臆するこ
となくガンガン視覚化する妥協なしの凝りようは、すでにオ
ープニングからして圧巻。もちろん、それは基本的な実写部
分をキッチリ演出・撮影できているからこそで、美術やコス
チュームなどの仕事も高く評価したいところです。

 とにかく全編ワクワクしたり、いろいろ考えさせられたり
いろんな要素が詰まった、飽きることなく楽しめる良質のエ
ンターテイメント作品でした。ラストはいろいろな解釈が可
能な余地が残っていると思うので、キャラクターたちのその
後をあれこれ空想してみるのも楽しいかも。

(天動説:映画批評)


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