【映画批評 過去記事から】
デストランス■2005年/日本=アメリカ/ビスタサイズ/89分
■制作:ユーデンフレームワークス
監督・脚本・編集:下村勇二 
脚本:加藤淳也、藤田真一、千葉誠治
アクション監督:坂口拓、小原剛
撮影:藤田真一
VFX:篠原伸治 
照明:木村公義
編集:藤田真一、渡辺貴文
音楽:小川類 
出演:坂口拓、須賀貴匡、剣太郎セガール 
   竹内ゆう紀、藤田陽子、朝田帆香
   樋浦勉

 戦乱の世。すべての願いをかなえると噂される『棺』。
それは東の寺の屈強な僧侶らによって守られていたが、
ある時人間離れした強さを持つ男・グレイヴが現れ、こ
れを強奪する。彼と棺を追うのは、大僧正から譲り受け
た"神壊刀"を手にした僧侶・リュウエン、流浪の戦士・
シド、謎の女剣士・ユーリ。果たして最終の地「禁断の
森」で彼らを待ち受ける運命とは?

d(>_<  )Good!!(2009/05/08)


「VERSUS」のアクション・コンビ、下村×坂口のタッグ
によるアクション・ファンタジー。
 場所も時代も特定しない混沌とした世界を舞台に、
「アイテム」争奪、旅する主人公、同行者、追跡者、追
撃者が入り乱れるという、娯楽時代劇の王道のドラマを
ベースに、あらゆるアクション・仕掛け・小道具・アイ
デアを、常識に囚われることなく貪欲に盛り込んだ伝奇
活劇で、時代劇、西部劇カンフー、ホラーなどジャンル
も自由自在に横断。アングラ演劇的なテイストもスパイ
スになっています。棺の奪い合いが、わりとそっけなく、
持ち主が何げなく入れ替わり、同時にいつの間にか旅の
道連れもひょいと変わってしまうという摩訶不思議な趣
向がなかなか面白いです。

 アクションシーンは手を替え品を替え色々なパターン
の連打で飽きさせず、例によってリアルファイトを展開
する坂口さんのスピード感も抜群で全編暴れまくり。ち
ょっと嬉しい隠し武器なんかもあったりして思わず拍手、
拍手。他の誰とも似てない独自のファイティングスタイ
ルはここでも痛快にキマっていますが、本作ではユーモ
アを感じさせるキャラクター付けもされていて、静と動
のメリハリも楽しいものになっています。

 本作はVFXのクオリティが高いのも注目ポイントで、
特にクライマックスでの官能的な対決シーンは見応え十
分の美しい出来映え。ハッタリをかますのではなく、画
面に対する細かいエフェクトにCGを使うという実景に
対して浮いた感じがしない、気配りの合成も好感が持て
ます。
 一方、通常の画面の方も、ロケーション撮影も含めて、
堅実かつ定石を踏まえたショットが使われ、ラストシー
ンに象徴されるようなビジュアル構築のセンスの良さが
あちこちに感じられて、全体的に個々のシーンが豊かな
印象があります。

 なかなか意外だったドラマチックな展開と、このイメ
ージを首尾一貫すべく果敢に攻めた演出、各パートの細
かな仕事が、作品全体のクオリティを上げていると思い
ます。初監督作品としても申し分ない、充実した内容で
した。
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下村勇二   千葉誠治   2009鑑賞  
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