【映画批評 過去記事から】
ロボロック■2007年/ヴィスタサイズ/92分
原案・監督:須賀大観
脚本:竹内利光、渡辺雄介
撮影:末廣健治
編集:原正之
音楽:日比野則彦
出演:塩谷瞬、美波、中山祐一郎
   本多章一、山本浩司、村松利史
   鮎貝健、我修院達也、デニス・ガン
   岡田将生、遠藤憲一

 自称・天才の便利屋・マサルは、ある日ニラサワと名乗る
オタクな公務員から依頼を受ける。その内容とは、マサルの
「声」で幻の巨大ロボット「ランドツェッペリン」を起動し
てほしいという突拍子のないものだった。はたして巨大ロボ
ット「ランドツェッペリン」は実在するのか……!?


d(>_<  )Good!!(2009/04/27)


 「ちょっとマニアックな男子」の行動を優しい視線で描く
須賀監督が「夢見る力」をテーマに「巨大ロボット」を絡め
て描くポップなエンターテイメント青春活劇。監督の作品の
特徴でもある、虚構と現実を「可能性」という観点から互い
に融合させて「世界」を構築するという手法で、夢と現実・
友情と信頼・裏切りといった青春ドラマの要素を快活に描き
出しています。
 全体のカラーは「無国籍」&「SF冒険活劇」テイストで
香ばしくまとめてあり、作品とその作品世界の両方に「雑貨
店」や「スーパーマーケット」などが持っている、雑多な魅
力と高揚感が満載です。

 物語上では、それぞれの価値観で生きる登場人物たちがと
にかく魅力的。自分の人生に内心迷っているマサル、計算高
くて抜け目のないキリコ、無口で命知らずだけど根は純粋な
コウ、自分の夢の実現に情熱を燃やすあまり周囲から浮きま
くるニラサワ、と愛すべきキャラクターばかりです。一方、
大人側では遠藤憲一さんが流石の存在感でマサルと対峙し、
ドラマに深味を加えてくれます。
 あともうひとつ、この映画を象徴するキービジュアル・巨
大ロボット"ランドツェッペリン"。 最新のVFXによる圧倒的
な巨大感と質感で、その迫力は「ロボット好き」も納得の仕
上がり。ごまかしの効かない白昼のシーンながらツボを押さ
えた演出の上手さと的確な画作りで、実感たっぷりに描き出
されています。ちょっと愛嬌のあるクラシカルなデザインも
楽しいところです。

 二ラサワとの出会いをはじめとして、様々な人たちと非日
常的な状況に翻弄され続けるマサルですが、最後には自分な
りの「生き方の結論」を導き出します。それに呼応するかの
ごとく雄々しく飛び立つ "ランドツェッペリン" の勇姿は、
まさに夢見る力が到達する未来の姿を象徴するもので、きわ
めて「映画」的であると同時に、観ている者の心にその存在
を問いかける熱いメッセージでもあります。
 酸いも甘いも噛み締めて、それでも前向きに歩き始める希
望に満ち満ちたラスト、観終わったあと、元気がじんじんと
湧き出てくる、そんな素敵な作品でした。
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須賀大観   2009鑑賞  
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