【映画批評 過去記事から】
ウォッチメン■原題:WATCHMEN
■2009年/アメリカ/シネマスコープサイズ/163分
監督:ザック・スナイダー
原作:デイヴ・ギボンズ
脚本:デビッド・ヘイター、アレックス・ツェー
撮影:ラリー・フォン
編集:ウィリアム・ホイ
音楽:タイラー・ベイツ
出演:ジャッキー・アール・へイリー
   パトリック・ウィルソン
   ビリー・クラダップ、マリン・アッカーマン
   マシュー・グード、ジェフリー・ディーン・モーガン


 <ヒーロー>それはアメリカの自由と正義を守る存在。しか
し彼らは、ケネディ暗殺事件、ベトナム戦争、キューバ危機
など、世界で起きた数々の事件の陰にも人知れず暗躍してい
た。ある時、そんなかつてのヒーローの一人が暗殺された。
 事件を不審に思い、真相を探り始めた覆面の男・ロールシ
ャッハ。彼が事件を追いかけていく先々で、ヒーローたちが
次々と狙われていく。犯人の目的は何か?仲間たちの過去と
現在を巻き込んで、やがて明らかになる想像を絶するある計
画とは…。

 ヒーロー活劇に酔いしれるような面白さ、というより
『ダークナイト』的な腹に応える映画という感じで、な
かなか面白かったです。
 ただし、チラシや宣伝コピーを鵜呑みにしてはいけま
せん。ウソは書いてませんが、誇張してないところは一
カ所もありません。できれば一切の情報をシャットアウ
トしてご覧になってください。

 アメリカンコミックの映画化ということですが、よく
ぞここまで「毒」を盛り込んだ映画を撮ったなぁと思い
ます。アメリカンヒーローものを題材に(バットマン風
ファンタスティック4風のキャラが登場)史実も織り込
んだ2重3重の「虚構のアメリカ史」を描いた力作です。

 自国の政治や国家体制をここまでストレートに辛辣に
批判する、その度胸は圧巻で、アメリカンヒーローたち
をパロディとしてではなく、一個人としての内面や過去
を綿密に描き込んでいく前半部分は、探偵役<ロールシ
ャッハ> を狂言回しにフィルム・ノワール調と言うか、
ハードボイルドタッチ。一転後半はVFXを駆使したハ
リウッド大作調のスペクタクルという豪華フルコース。

 画面の描写は徹頭徹尾ヘヴィでハードですが、個々の
キャラクターのエピソードを掘り下げるあまり、全体の
グルーヴ感が削がれている感じも否めないし、セリフで
回していくシーンも多く、やや展開が緩慢な印象もあり
好き嫌いは分かれるかも。
 とはいえ、クライマックスの衝撃展開、果たして「正
義」とは「ヒーロー」とは何か?ラストシーンのオチの
付け方も含めて、個人的にはかなり唸らされました。
 
 あと、キャラクター的には、<ロールシャッハ>がお気
に入りでした。なんかいいヤツだったし。あと『世界が
燃え尽きる日』とか『がんばれ!ベアーズ』のジャッキ
ー・アール・ヘイリーが懐かしくて、ちょっとツボでし
た。
    (2009/3/26 試写会にて 天動説:映画批評)


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