【映画批評 過去記事から】
観察■2007年/ビスタサイズ/133分
■制作:AMGエンタテイメント
監督・共同脚本:横井健司
原案・脚本:永森裕二 
撮影:下元 哲 
照明:高田宝重 
編集:千葉義則
音楽:遠藤浩二
出演:緒川たまき、小沢和義、光石 研、江口のりこ
   鈴木砂羽、小倉一郎、河合美智子、平田満
   岡本奈月、石堂夏央、山本剛史、大西武志
   山本浩司、松田賢二、小林且弥、鈴木亮介
   新井みやび、遠藤憲一、小沢仁志


 10歳の少年・茂樹は、丘の上の家に住む少女・弥生に恋心
を抱く。それ以来彼は、望遠鏡で毎日彼女の姿を覗くように
なる。やがて大人になった弥生は結婚し、茂樹も妻子を持つ
ようになるが、それでも茂樹は弥生を「観る」ことをやめら
れずにいた……
d(>_<  )Good!!(2009/01/23)

 愛する相手を「見つめ続けた」男と、その存在に気付きな
がらも「見られ続けた」女の40年に渡る愛の行方を、男女
それぞれの視点から2部構成で描く大人の純愛物語。

 緒川たまきと小沢和義の共演、といっても二人一緒のシー
ンは全編通じて一度きりで、しかも直接言葉も交わさないと
いう異色の作劇。しかしこれが見事なまでにラブストーリー
として成立している。
 「茂樹編」の次に、続けて「弥生編」を観ていくと、どん
どん物語のパズルが組み上がっていき、見えていなかった真
実が明らかになっていく。ラスト、相手を密かに想う純粋な
気持ちに、心の底から感動が沸き上がってくる。静かで優し
さに満ちた映画だ。

 主演の1人、緒川は年齢の変遷を見事に演じ分け、一方の
小沢は不器用だが純粋な男を静かに演じ切っている。サブキ
ャラクターでは、とりわけ茂樹の妻役・江口のりこの切実さ
の際立った人物像が素晴らしい。他にもちょっとしか出ない
役に豪華キャストが配されているところも要チェック。

『観察』とタイトルにある通り、『観る』ということがキー
ワードとして全編に散りばめられているが、この作品を「観
ている」観客もまた「観察者」のひとりである、という構造
になっているのも面白いと思う。映画を観る、ということは
すなわち「観察」することであり、またこの作品自体も「観
る」に値する内容を持っている。役者の芝居だけでなく、画
面のレイアウトにもぜひ注目して観ていただきたい。
 また、DVD特典に収録されているメイキングも観応えあ
る内容で、上手くまとまっているので、あわせて必見である。
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小沢和義   緒川たまき   江口のりこ   2009鑑賞  
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Name:竹澤収穫



 邦画が中心の映画批評人。
物語そのものより、映画にお
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