【映画批評 過去記事から】
ラブストーリーを君へ■1988/ビスタサイズ/104分
■制作:東映/セントラル・アーツ
監督:澤井信一郎
原作:ディディエ・ドゥコワン
脚本:丸山昇一 
撮影:仙元誠三
照明:渡辺三雄
編集:西東清明
音楽:朝川朋之
出演:後藤久美子、仲村トオル
   佐藤友美、柳沢慎吾、河合美智子
   三田佳子、露口茂、緒形拳


 大学の山岳部員・上條明は、以前家庭教師をしたことの
ある広瀬由美と再会するが、彼女の母から由美が白血病で
余命半年であることを知る。彼女の最後の思い出を作って
あげてほしいと頼まれた上條は…出来る限りの協力をする
ことにした。由美の病状が次第に悪化する中、それでも充
実した楽しい日々を過ごす二人だったが…
d(>_<  )Good(2010/10/16)
 

 後藤久美子と仲村トオル共演による恋愛映画。後藤の澄ん
だ存在感は、今観ても新鮮。
 物語には、余命幾許もない主人公・由美の姿が描かれるが、
ウェット感はゼロ。また、学校でのシーンはあるが学生生活
の匂いはなく、彼女の日常はかなり浮世離れしていて、少女
がビールを飲むシーンなど、14歳という年齢設定は劇中こ
とごとく無化(無視)されていて、物語自体はかなり突飛な
印象を受ける。凡庸に考えるところの「リアル」さではなく、
作劇としての「リアリティ」を追求してドラマは進む。
 活劇の秀作を多く手掛けてきたセントラル・アーツとスタ
ッフによる乾いたタッチは、いわば「ハードボイルド」の枠
組を感じさせる。青年は「少女の恋人役を依頼される探偵」
の役まわりを演じるのである。

 現在の日本映画とはまるで違う、良い意味での「作為的な
世界」の刺激がラストまで一貫して流れる中、2人の絆は次
第に深く本物になっていく。そしてその互いを愛する感情の
すべては、「二人で山を登る」という行動にそのすべてがシ
ンクロし、集約される。そこには安易な涙など無く、ただた
だ清々しい感動のみが残る。『ラブストーリーを君に』とは、
よくぞ付けたタイトルだと思う。
関連記事
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加 はてなブックマークに追加
NEXT Entry
『ぼくんち』
Entry TAG
澤井信一郎   丸山昇一   仲村トオル   2010鑑賞  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
Maps
PROFILE

gadget9007

Name:竹澤収穫



 邦画が中心の映画批評人。
物語そのものより、映画にお
ける「映像表現」の面白さを
重視しています。映画の採点
評価はしません。
 コメント、トラックバック
もお待ちしております。
●連絡先 →

COCO

ACCESS
最新記事一覧
『ダブルミンツ』 Jun 24, 2017
『武曲 MUKOKU』 Jun 24, 2017
『TAP THE LAST SHOW』 Jun 21, 2017
『花戦さ』 Jun 20, 2017
『無限の住人』 Jun 10, 2017
『あん』 Jun 05, 2017
『大阪極道戦争 しのいだれ』 Jun 04, 2017
『光』 Jun 01, 2017
『TOKYOデシベル』 May 30, 2017
『エミアビのはじまりとはじまり』 May 05, 2017
全記事表示リンク
検索フォーム
ブログ内ランキング
ブログパーツ

Page Top