【映画批評 過去記事から】
SweetRain死神の精度■2008/ビスタサイズ/113分
■制作プロダクション:ROBOT
監督・脚本:筧昌也
脚本:小林弘利 原作:伊坂幸太郎
撮影:柴主高秀
照明:蒔苗友一郎
編集:伊藤伸行
音楽: ゲイリー芦屋
出演:金城武、小西真奈美、富司純子
   光石研、石田卓也、村上淳
   奥田恵梨華、吹越満
不慮の事故で亡くなる予定の人物のところに現れる「死神」の千
葉の仕事は、その人を7日間観察し、その死が「実行」か「見送
り」かを判定すること。今回の対象者は、寂しさを抱えたOLの
一恵。幾多の死を判定してきた彼が、彼女の人生の最後に見たも
のとは…


 人間界に現れる時は何故か必ず雨が降っている、「雨男」
の死神。そんな彼が人々の運命を見つめる全三幕のエピソー
ドで構成された物語。きわめて演劇的なニュアンスが強いが、
3つの時空間とニュアンスの異なる舞台設定を一直線につな
げてみせる作品の在り方はすこぶる映画的。

 ある意味で「生活感」を感じさせない金城武は、本作の死
神役にぴったりだし、小西真奈美と富司純子を配役した時点
で、勝ちは見えたといえる。二人のミリ単位の演技は、この
映画の説得力をぐっと高めている。
 お目付役の黒犬にヘタに声をアテなかったこと(セリフは
字幕処理)や、過剰なデジタル・エフェクトを画面に加えな
かった映画センスも良かった。「雨音」と「雨」が全体を包
み、静かな統一感を生み出すなど、奇抜さを排した「アナロ
グ」感覚の映像が美しく、かつ心地いい。

 一人の女性の半生を見つめ続けることで、死神・千葉の心
の有り様が少しずつ変わって行くが、その過程の中で「雨と
千葉の関係性」についてもっと明瞭に描かれていれば、さら
に良かったのでは、と思う。
 ともあれ、雨上がりの空はいつ見ても爽やかで清々しい。

(天動説:2010/11/27)
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