【映画批評 過去記事から】
ゆれる■2006/ビスタサイズ/119分
監督・原案・脚本:西川美和
撮影:高瀬比呂志
照明:小野晃
編集:宮島竜治
出演:オダギリジョー、香川照之
   伊武雅刀、新井浩文、真木よう子
   木村祐一、田口トモロヲ、蟹江敬三

 東京でカメラマンとして成功している猛は、母の一周忌で
帰省する。実家のガソリンスタンドを継いだ兄の稔や、そこ
で働く幼なじみの智恵子と再会した猛は、3人で近くの渓谷
に行くことにするが、彼が単独行動している間に、渓谷にか
かる吊り橋の上にいた智恵子が転落してしまう。そしてその
時そばにいたのは稔ひとりだけだった……

d(>_<  )Good!!(2010/10/06)


 久しぶりの再会がもたらした人間関係のズレが次第に大き
くなり、それぞれの運命が大きく「ゆれる」。信じていたも
のがゆっくりと崩れていく中で、そこから再生することは可
能なのか。

 あり得たかもしれない数々の現実の可能性と、目の前に漂
う現実。その中で「ゆれる」二人の兄弟の心理。オダギリジ
ョーと香川照之の「ミリ単位」での演技も秀逸だが、蟹江敬
三と木村祐一の法廷対決、物語の着火点・真木よう子と、物
語を着地点へ導く新井浩文の存在感も忘れ難い。

 吊り橋という存在が、象徴的なモチーフとしてドラマの舞
台に巧みに使われているが、画像とともに記憶を浮かび上が
らせる写真の現像液や、過去の記憶を呼び起こさせる8ミリ
フィルムの映像、これらに生じる「ゆれ」もまた同様に作品
テーマに伝わり、映画的に共鳴する。

 そして弟と再会した兄のラストショットが、再び観るもの
を作品の中に「宙吊り」にする。我々はその余韻にいつまで
も「ゆれ」続けるしかない。
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