【映画批評 過去記事から】
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おろち■2008年/ヴィスタサイズ/107分
■制作プロダクション:セントラル・アーツ
監督:鶴田法男
脚本:高橋洋
原作:楳図かずお
撮影:柴主高秀
美術:山崎秀満
照明:蒔苗友一郎
編集:須永弘志
音楽:川井憲次
出演:木村佳乃、中越典子、谷村美月
   大島蓉子、山本太郎、嶋田久作

 百年に一度永い眠りにつくことにより不老不死の体を保ち
続け、人の世を彷徨いながら人間たちの争いや憎しみ、狂気
をただ見つめ続ける謎の美少女「おろち(谷村美月)」。
 彼女は、かつて大女優として名を馳せた美しい母・葵(木
村佳乃)と2人の美しい姉妹・一草と理沙が暮らす門前家に
家政婦として潜り込む。しかし門前家に生まれた女たちは、
ある宿命を背負っていた…

 人の運命を見守る超越的存在・おろちが出会った、哀しく
も恐ろしい姉妹の秘密。ストーリーの語り手であり、傍観者
であるおろちが不意にドラマの中に取り込まれることで、物
語が二重のサスペンス性を帯びる作劇が面白い。
 おろち役の谷村美月、美しき姉妹を演じる木村佳乃、中越
典子という3女優陣の競演も素晴らしいが、自分のもとから
去っていく少女を呆然と見つめる大島蓉子の姿も印象に残る。

「見られること」と「見られないこと」の意識の狭間で壊れ
ていく女たちと、ただ運命を「見続けるだけ」の少女。ゴシ
ックホラー的世界観の中で展開する心理サスペンスは皮膚感
覚に訴える戦慄的な怖さ。ラストには気が遠くなるような無
常感が襲い、心の奥底がひやりとなる。
d(>_< )Good!!(天動説 2010/10/07)

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