【映画批評 過去記事から】
婚前特急■2011/アメリカンビスタ/107分
■制作プロダクション:マッチポイント=ビターズ・エンド
監督:前田弘二
脚本:高田亮、前田弘二
撮影:伊藤寛
照明:金子康博
編集:佐藤崇
音楽:きだしゅんすけ
出演:吉高由里子、浜野謙太、杏、石橋杏奈
   青木崇高、吉村卓也、榎木孝明、加瀬亮
   宇野祥平、吉岡睦雄、白川和子


【映画公式サイト】

 TPOにあわせて5人の男性とつき合っていた池上チエは、
友人トシコの結婚を機に、男たちを「整理」して本命を選び
出そうと考えル。まず、もっともダメな感じの田無と別れる
ことにするが、自分本位な田無はチエと付き合っている認識
がなく、何となくチエがフラれたような雰囲気になってしま
う。まるで納得のいかないチエは田無に対して仕返し紛いの
言動に出るが、何故かことごとく裏目に出てしまい、やがて
他の4人との関係にも次々とズレが生じはじめ… 
 恋に自由なOLが、たった一人の本当の相手に辿り着くま
でを描くスクリューボール・コメディ。
d(>_< )Good!!(天動説 2013/02/24)

 恋愛にシビアで打算的だったはずの女の子が、ふと恋愛の
真実を求めようと考え出した途端、その「恋愛生活」の見え
なかった実体が次々とあらわになり、思いもよらぬ迷走をす
る羽目になる。図々しくとぼけた性格の田無(インスト・バ
ンド「SAKEROCK」の浜野謙太が好演)によってペースを
乱されながら、見事なまでに空回りしていくチエの様子が淡
淡としたテンポの中に描かれる。
 そのドラマは、タイトルに反して脱線続きの各駅停車であ
る。ごく何気ない会話の積み重ねが、いつの間にか違う意味
を持って前後左右にズレていく可笑しさ。じわじわエスカレ
ートする不幸の連鎖、状況の変化にワンテンポ遅れて取り残
されて行くチエ。思いがけない事態の急展開をひとつひとつ
目の当たりにしながら、いつの間にか自分でも気づかなかっ
た「本心」が胸の奥から引きずり出されていく。
(個人的な好みで言えば、そういうオチで良いのか…という
感は否めないのだが)

 人物設定だけみれば、やや反感を買いかねないところのあ
るチエだが、吉高由里子が演じると、その刺々しさを感じさ
せるキャラクターも、トゲの先端が「丸く柔らかい」ような
印象をもたらしてくれる。何気ないショットの端々で、えも
言われぬニュアンスを醸しだして笑いや共感を生み出す彼女
は類い稀なコメディエンヌである。

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 邦画が中心の映画批評人。
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