【映画批評 過去記事から】
プライベートレッスン■原題:青春/2000/韓国/ビスタサイズ/105分
監督・脚本:クァク・チギュン
撮影:ハム・スンホー
編集:キム・ヒョン
音楽:キム・スジュン、ソン・シーヒョン
出演:キム・レウォン
   キム・ジョンヒョン
   ジン・ヒギョン
   ペ・ドゥナ
   ユン・ジヘ


 初体験の相手を傷つけ死なせてしまった高校2年生のジャ
ヒョと、女教師ジョンヘに恋をする親友のスイン。卒業後、
大学生となった二人だったが、それぞれが悩みを抱えたまま。
愛を拒否して遊び耽るジャヒョ、一途にジョンヘを想い続け
るスイン。やがて「答え」を出す季節が来る…

 愛と性との間で揺れ動く二人の青年の苦悩を描く青春映画。
「コリアンエロス」という括りで、予告篇やパッケージでは
「愛欲渦巻くエロティックな作品」というイメージが喧伝さ
れているが、原題(『青春』)が示すように、実際はかなり
異なる内容である。
青春 韓国オリジナル
 確かに童貞喪失にまつわるエピソードや、大胆な濡れ場も
多いのだが、それよりも、何気ない日常生活の中に漂う焦燥
感や、ぐらぐらと蛇行迷走する友情と恋愛の様をじっくりと
描いており、切なくほろ苦い青春物語となっている。
(…正直なところ、なぜそこまで彼らがセックスを思考のど
真ん中に置いて思考するのかは、いまひとつ判然としないの
だが…)
 友人が寝ている横で無軌道な行為におよぶスインと、それ
を目の当たりにして、同時にそこに「自分の姿」をまざまざ
と見てしまうジャヒョのシーンにおける、切なさと可笑しさ
と残酷さが混在する様は秀逸。

 ジャヒョと交際する看護婦・ナムオク役のペ・ドゥナが、
重くなりがちな作品にカラッとした陽性のイメージを加えて
いて、その際立ったチャーミングさに目を奪われる。
 幾つもの悲しみを乗り越えて立ち上がる、前向きなラスト。
映画もジャヒョも、彼女の存在によって救済され、癒される。

(2010/11/07 天動説)
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