【映画批評 過去記事から】
捨てがたき人々■2014年/ヴィスタサイズ/123分
■制作プロダクション:ファミリーツリー
監督:榊英雄  原作:ジョージ秋山
脚本:秋山命
撮影:宮川幸三
照明:木村明生
美術:井上心平
編集:清野英樹
音楽:榊いずみ
出演:大森南朋、三輪ひとみ、内田慈、諏訪太朗
伊藤洋三郎、美保純、滝藤賢一
   田口トモロヲ


【映画公式サイト→】

 金も仕事もなく、不細工で怠け者の男・狸穴勇介(大森南
朋)。生きる事に飽きてしまった彼の足が最後に向かったの
は生まれ故郷だった。誰もが怪訝な表情を見せるなか、ただ
一人だけ笑顔で接してくれた顔に痣のある女・岡辺京子(三
輪ひとみ)に興味を示す。生きている証を快楽に求める勇介
は、その欲望を京子に求め、強姦まがいに関係を持ってしま
う。なし崩しに同棲し、やがて互いを認める事なく「家族」
を作ることになった二人は、それぞれに生きている事の幸せ
とは何かを考えるのだった…
d(>_<  )Good!!(2015/06/14)


 何気ない、どこにでもあるような日常。しかし、一歩踏み
込むとそこには情欲と幸福とが混迷する猥雑な、しかし人間
臭い世界が淀んでいる。「腐り切る一歩前」の、快感と不快
感をないまぜにした匂いが漂う中、主人公・勇介もまた当て
所なく漂流してゆく。人間的にはどうしようもなくクズだが、
その無頼な言動は、ある意味でダークヒーロー的な匂いを放
つ。
 もつれ合い、ぶつかり合いながら「幸せ」の形を模索する
勇介と京子を、大森南朋と三輪ひとみが好演する。相当にシ
リアスで、かつグロテスクなドラマを、不快感なく(ときお
りユーモラスに)見られるのはこの二人の力あってこそだろ
う。

 ハッピーエンドのその後も、「現実」の物語は続いて行く。
 人も、善くも悪くも変わっていく。
 ささやかな幸せの断片を並べつつ、安易に「幸福」を形に
しない本作のドラマは、最後の最後まで悩み、迷い、苛立ち
ながら、前のめりに倒れるように終ってゆく。ある意味で徹
底的に「現実的」であり、問題提起に踏み留まるその姿勢は
限りなく真摯である。
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2015鑑賞   榊英雄   大森南朋   三輪ひとみ  
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Name:竹澤収穫



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