【映画批評 過去記事から】
ケンタとジュンとカヨちゃんの国■2009年/アメリカンビスタ/131分
■制作:リトルモア=フィルムメイカーズ)
監督・脚本:大森立嗣
撮影:大塚亮
録音:加藤大和
編集:普嶋信一
音楽:大友良英
出演:松田翔太、高良健吾、安藤サクラ
   多部未華子、宮崎将、新井浩文
   美保純、柄本佑、小林薫 他


 孤児院で兄弟のように育ったケンタとジュン。親も金も居
場所もなく、職場は低賃金と劣悪な労働環境、先輩からは執
拗ないじめを受けていて、将来への夢を持つことさえままな
らない毎日。ある日、二人はすべてを打ち捨てて逃走する。
小さな希望に向かって……

 デッドエンドを越えようと模索し、見えない「何か」と闘
い続けるロードムービー。安易な感情移入や共感を許さない、
突き放したような映像の迫力が、次第に観る側に痛烈に詰め
寄ってくる。主役の3人だけではなく、登場人物それぞれが
行き場を見失っていて、とりわけ柄本明、小林薫、美保純は、
もうひと組の「ケンタとジュンとカヨちゃん」のようだ。

 行き場のない感情をぶつけるように叫び、喜怒哀楽のすべ
てを正直に吐き出す、その無謀で衝動的な旅。ドラマは彼ら
の「息苦しさ=生き苦しさ」を、ありのままに画面に描き出
す。衝突と摩擦を繰り返し、その身体を軋ませながら、彼ら
はとにかく進む。「何処か」へではなく、ここより「もっと
遠く」へ。
 映画を観終わった後、深いため息とともに自分が浄化され
たような感覚に包まれる。この映画は『ケンタとジュンとカ
ヨちゃんと"あなた"と"わたし"の国』なのだ。

d(>_< )Good!!(天動説 2010/7/1 札幌シネマフロンティア)

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