【映画批評 過去記事から】
ちはやふる -下の句-■2016年/シネスコサイズ/102分
■制作プロダクション:ROBOT
監督・脚本;小泉徳宏
原作:末次由紀『ちはやふる』
撮影:柳田裕男
照明:宮尾康史
美術:五辻圭
編集:穗垣順之助
音楽:横山 克/主題歌「FLASH」Perfume
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑
   上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希/
   清水尋也、坂口涼太郎、つみきみほ
   松岡茉優/松田美由紀、國村隼
【映画公式サイト→】

創部一年ながら、東京都大会優勝をなしとげた瑞沢高校競技
かるた部。舞台はいよいよ全国大会へ——。幼なじみの新に
東京都大会優勝を報告する千早だったが、新は「かるたはも
うやらん…」と思わぬ告白をする。ショックを受ける千早だ
が、全国大会へ向けて仲間たちと懸命に練習に励む。そんな
中、千早は、同級生ながら最強のクイーンと呼ばれる若宮詩
暢の存在を知る…
d(>_<  )Good!!(2016/05/09 ユナイテッドシネマ札幌 スクリーン5)
 映画二部作、「あらぶる」上の句に対して、下の句はまさ
に「ちはやふる」作品となった。千早・太一・新の関係性と
それぞれの葛藤(ベタな三角関係ドラマではなく)、「かる
た部」分裂の危機と協調性の回復(ベタな青春ドラマではな
く)、最強の敵の登場と決戦のクライマックス(ベタなバト
ルストーリーではなく)———王道のエンターテイメントに
徹した前作を踏まえて、後編では、各登場人物をより克明に
掘り下げつつ、恋も友情もライバルも、ただ一点、「競技か
るたへの情熱」のもとに描き出す快作になっている。
 まったく嘘を感じさせない俳優陣の瑞々しい演技と、安定
と迫力の映像、無駄の無いドラマ構成は今作でも健在。部室
をめぐるシークエンス(吹奏楽部の音、夏の暑さ、扇風機の
音など)に顕著に現われている静と動のリズムの面白さ。何
気ない人物の動き、視線の動き、あるいは予想外のタイミン
グの妙をみせるアクション、「見せ場」というよりは、さら
に深くドラマの流れの中に組み込まれる形に昇華した競技か
るたシーン、いずれも前篇よりバージョンアップ(進化)し
た感がある。
 クイーンの異名をとる若宮詩暢の奥行きあるキャラクター
設定も面白く、松岡茉優の好演もあって、単なるライバルと
いう役どころを越えて、一気に観る側の好感度を上げる人物
像を創り上げている。試合後、千早との別れの場面は秀逸。

 たかが「かるた」に、これほどのめり込むのは何故か。も
はやドラマは「勝つか負けるか」のレベルを超えて、「情熱
の素晴らしさ」を分かち合い、キラキラと閃光のように一瞬
の感動を紡いでいく姿を、ただひたすらに追っていく。その
「突き抜けた感覚」はある意味、圧巻の一語に尽きる。(了)
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Name:竹澤収穫



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