【映画批評 過去記事から】
■1996年/ヴィスタサイズ/102分
監督:那須博之
脚本:菅良幸 那須真知子
原作:香月日輪/前嶋昭人
撮影:森勝
照明:才木勝
編集:阿部嘉之
音楽:埜邑紀見男         
出演:田中鈴之助、中山貴将、大竹隆太
   吉野紗香、川本淳一、池田淳
   本郷直樹、峰岸徹、本田博太郎



 ケンカに明け暮れる、てつし、椎名、リョーチンの仲
良し3人組は、偶然男の飛び降り自殺を目撃したことか
ら女の生霊につきまとわれるように。町外れにある古ぼ
けた薬屋“地獄堂”のオヤジから呪札・経典・数珠を授
かり、霊を撃退した3人は、やがて級友・拝の幼なじみ
のカンナを救うため、力を合わせて死神退治に挑むこと
に…。

 子供たちが主人公の妖怪退治アクション…と字面だけ
のイメージで油断して観ると、度肝を抜かれるやんちゃ
な映画で、いきなり『ビーバップ・ハイスクール』もか
くやという小学生同士の熾烈な抗争バトルが展開。不良
小学生たちの荒唐無稽なまでの暴れっぷりに唖然とさせ
られるが、ホラーあり恋あり冒険ありアクションありで、
ソフトで甘いだけの子供向け映画とはひと味違う骨っぽ
さが魅力。
 映画全体はかなりざっくりとしていて荒っぽく、東映
流の不良感度の高い映画だが、年齢を中・高校生くらい
まで引き上げれば、そのまま普通に青春活劇映画になり
そうなところを、あえて子供世界の枠内で描く、その作
劇のバランス感覚が面白い。

 幽霊退治の使命を帯びた3人、クールなてつし・飄々
とした椎名・気が弱いけど優しいリョーチンのそれぞれ
の個性と活躍も楽しいが、妖怪変化と紙一重のメイクと
奇抜な怪演で場をかっさらう地獄堂のオヤジ・本田博太
郎、徹底的に肉体的な存在感で立ちはだかる斬新なイメ
ージの「死神」のキャラクターが極めて秀逸。

 クライマックスの最終決戦では、アナログ特撮と美術
セットを駆使した、テーマパーク的アトラクション感覚
がすこぶる痛快。ゲーム性が売り物のアニメーションば
かりの昨今、少年向けの実写映画のみならず、映画その
ものの楽しさが随所に弾ける、隠れた好編である。
(天動説/映画批評)         


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村
関連記事
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加 はてなブックマークに追加
NEXT Entry
【映画鑑賞記録】2011年7月
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
Maps
PROFILE

gadget9007

Name:竹澤収穫



 邦画が中心の映画批評人。
物語そのものより、映画にお
ける「映像表現」の面白さを
重視しています。映画の採点
評価はしません。
 コメント、トラックバック
もお待ちしております。
●連絡先 →

COCO

ACCESS
最新記事一覧
『きみの声をとどけたい』 Sep 04, 2017
『世界は今日から君のもの』 Aug 31, 2017
『ベイビー・ドライバー』 Aug 30, 2017
『海辺の生と死』 Aug 30, 2017
『獣道』 Aug 24, 2017
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』 Aug 18, 2017
『ジンクス!!!』 Aug 14, 2017
『ライトスタッフ』The Right Stuff Aug 14, 2017
『TOKYO NOIR トウキョーノワール』 Aug 13, 2017
『いぬむこいり』 Aug 12, 2017
全記事表示リンク
検索フォーム
ブログ内ランキング
ブログパーツ

Page Top